キックボクシングがフィットネスに効果抜群な5つの理由
公武堂が発行しているシンラパ・ムエタイVol.12にコラムが掲載されました。
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キックボクシングがフィットネスとして世間に広まりつつある。
私がJKF(ジャパンキックボクシングフィットネス)を立ち上げたのは2011年。
もともとの由来は、名古屋JKファクトリーの小森次郎会長のイニシャル、JKを取らせてもらった。
今も小森会長への感謝の気持ちを込めてJKFを運営している。
選手育成は「一切」行わず、フィットネスオンリーでの運営法。
当時としては画期的な試みだった。
そして2018年7月には、ここ池下にも新店舗を構えた。
キックフィットを閃いたキッカケ
私はキックボクシングの世界タイトルを4階級制覇した。
層の薄い中量級とはいえルンピニースタジアムのチャンピオンにも勝つことができた。
【画像・boutreview】2003年8月、ガオラン・カウイチット戦(佐藤嘉洋22歳)
本当に心の底から練習に集中し、努力工夫を重ねてきた現役生活だった。
34歳で引退する直前まで、10代の選手よりも多い練習量だった。
とにかく練習練習の日々だった。
おかげで私は根性の塊になることができた。
とはいいつつも、試合直後や試合の遠いときには、ピーク時のような練習量をこなしていたわけではない。
限界まで追い込むような練習ではなく、せいぜい2時間程度。
そんなときは決まって「キックボクシング楽しいなあ」と爽快な気分になっていたものだ。
そんなある日の帰り道、ふっと閃いたのである。
「この爽快な範囲を抽出して、一般の人にも提供したらウケるんじゃないか」
これがキックボクシングをフィットネスに特化したジムを思いついたキッカケだ。
楽しそうな場所に人は集まる
それからランニング時には、どのようなジムの形態にするかをイメージしながら日々を過ごした。
つまらなさそうな場所に人は集まらない。
楽しそうな場所に人は集まる。
「ココに行けば明るい気持ちになれる」
というようなジムにしたかった。
【常連の方も、入ったばかりの方も全く分け隔てなく楽しめる交流会も大好評】
色々なキックジムを見学し勉強させていただいた。
従来のキックボクシングジムの枠から外れたところを狙っていたので、ヨガなどの他のフィットネスにも足を運んだ。
また、居心地の良い飲食店、楽しそうなテーマパークも雰囲気作りに転用できそうだった。
周りはアイディアの宝庫だった。
生きていること自体すべてが勉強になることがわかった。
キックボクシングフィットネスの5つの効果
こうしていくうちに、ますます自信が深まっていった。「キックボクシングフィットネスは、他と比べても間違いなく楽しく、そして効果も抜群にある!」と。
①飽きにくい。
キックボクシングの動きが多彩であるのは周知の事実。
単調な動きになりがちなマシーントレーニングよりも、身体全体を使った運動になるのでバランスの良い身体つきになりやすい。
これはキックボクサーの身体つきを見れば一目瞭然である。
また、体幹も動きの中で十二分に鍛えられるので、日常生活にも役立つ。
②怪我をしにくい。
格闘技でありながら、キックボクシングの動き自体が自重トレーニングなので身体への負担は思いのほか少ない。
試合に出るわけではないので本気でスパーリングをする必要もない。
疲れの溜まった身体を引きずって毎日練習を行わなくてもいい。
フォームさえしっかりと教えれば関節部分への負担も少なく済む。
③ストレス解消になる。
人間本来の闘争本能に訴えかけるパンチやキックをサンドバッグやミットに打って汗を流すことで、ほぼ100%に近い確率でスッキリする。
これは私自身もそうだったし、保育園児にキックを蹴らせたり、会社員や主婦にパンチを打たせたりするときにいつも実感している。
④強くなれる。
ワンツーを習うだけでも未経験者よりも構えにオーラが出る。
「自分は少しずつ強くなっている」という自信を持つことで、よりやさしくなれる。
謙虚になれる。
謙虚…自分の能力や置かれている立場をありのままに受け入れ、相手の意見を認めてすなおに取り入れたり、相手を抑えるような自己主張を控えたりする様子だ。
[新明解国語辞典第7版]#辞書の旅
威張っている人は、何かに怯えている場合が多い。
⑤視野が広まる。
キックボクシングという共通の趣味を持ちながら、自分とは違う職種、年代、性別の仲間ができる。
選手育成をしないため、緊張感のある時間帯がない。
だからコミュニケーションも取りやすい。
ただの異業種交流ではなく、キックボクシングという共通項があるので打ち解けやすいのも特徴だ。
自分も成功しながら業界にも大きく貢献する
当然私は経営者なので、そこに利益がなければやる意味がない。
自身のビジネスのためにやっているのは間違いない。
しかし利益だけでなく、業界に大きく貢献することにも繋がっている。
それは、キックボクシングを嗜む人を増やすことで、プロキックボクサーたちはもっと尊敬される存在になれる。
キックボクシングをやったことがなければ、倒し倒されの派手な打ち合いがもっとも賞賛される。
エキサイティングな試合はもちろん評価されて然りだが、中には息を飲むようなテクニカルな試合もある。
しかし伝わりづらい。
キックボクシングを少しでもやったことかある人なら、そのような試合「も」楽しく観戦できるようになる可能性が高い。
【わかりにくい技術の凄さを伝えるのは解説者の仕事】
私はゴルフをやったことがない。
だから正直、面白さがわからない。
けれど、ゴルフはキックボクシングと比べると競技人口も桁違いに多い。
だから面白さのわかる人たちも圧倒的に多い。
私はキックボクシングをそのようなところまで引き上げたい。
先人たちが創り上げてきたキックボクシングを、これからは自分の頭で考え、同志たちと共に、それぞれのやり方でキックボクシングを盛り上げていきたい。
そして、自身に内在している名誉心、虚栄心、自己顕示欲をなるべく抑え、命を削って本気で戦っている現役のプロキックボクサーたちが一人でも多く満足して現役を終えられるような世界にしていきたい。
「ああ、プロキックボクサーになれて良かったなあ」と。
シンラパ・ムエタイ Vol.12(発行元 株式会社 公武堂)佐藤嘉洋コラムを転載しました。
私の紹介に「名古屋JKF会長、佐藤嘉洋」とありますが、私はあくまでJKFのマネジャーでございます。
会長という肩書は師匠の小森次郎名古屋JKファクトリー会長をおいていないので、私が会長という立場になることはこれからはないと思います。
マネジャーって呼んでね💛
明るく生こまい
佐藤嘉洋