原研哉著『デザインのデザイン』
県外出張の際、立ち寄った本屋で輝いて見えたので購入。コロナ禍に入って基礎からデザインを学び、そこからさまざまな方面のデザインを学んでいる。おかげさまで月刊ブルート通信のデザインのクオリティも相当上がっている。
JKFやぶるーと整体院・鍼灸院・整体院でも無料配布しているので是非お持ち帰りください。毎号集めると背表紙が絵になることに気づいていますか(笑)
さて、この本、新刊のように陳列されていたので新書かと思いきや、なんと2003年から何度も増刷されている名著だった。一昔前の本にも関わらず、現代に充分通用することを多く学んだ。まさに温故知新の本だった。
今年は広辞苑を読み、書き進めるのに忙しくて、毎月一冊の本と一本の映画の感想文を書くという自分との約束は守れなかった。反省は反省だが、今は広辞苑の辞書の旅に集中すべきなので仕方なし。ルールを緩くして隔月(かくげつ)で感想文を残していこうかしらんと作戦変更!
ということで、2024年最後の読書感想文は、デザインの名著にあった言葉をいくつか紹介して終わりたい。
手仕事が長い時間をかけて磨きぬいてきた果ての「形」が機械によって浅薄(せんぱく)に解釈され、ねじ曲げられ、異常な速度で量産されていく。
新奇なものをつくり出すだけが創造性ではない。見慣れたものを未知なるものとして再発見できる感性も同じく創造性である。既に手にしていながらその価値に気づかないでいる膨大な文化の蓄積とともに僕らは生きている。
日常を未知なるものとして、常に新鮮に捉え直していく才能がデザイナーである。
電子メディアが情報伝達の実質的な道具であるとすれば、書籍は「情報の彫刻」である。
労働力の安い国でつくって高い国で売るという発想には永続性がない。
優れた着想は古びない。
優れたものは必ず発見される。
一時期に成功をおさめた特定のスタイルは、注目されればされるほど、本質とは離れたところで大衆化し形骸化する。
「分かりやすさ」というのは情報の質の基本(後略)
「独創性」というのは、いまだかつて誰もやっていない斬新な方法で情報を表現すること(後略)
笑いとは、極めて精度の高い「理解」が成立している状態を表している。内容を理解していないで人は笑わない。
生命は美と深く関係しているように見える。
明るく生こまい
佐藤嘉洋