橘玲著『言ってはいけない 残酷すぎる真実』

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男と女は別の生き物である

「男と女は生まれながらにしてちがっている」

ニューヨークタイムズの女性記者リサ・ベルキン

私たちの社会に必要とされているのは、男女の性差をイデオロギーで否定するのではなく、両者のちがいを認めたうえで、男も女も幸福な人生を送れるような制度を目指すことだろう。

私もこれらの意見に同意する。

女性からのOKサインに私は…

人間には、「幼年時代を共有した異性には性的関心を抱かない」という本性が埋め込まれている

小学校のときに好きだった女の子と大人になってから再会した。何度目かのデートのとき、おそらくOKサインを出してくれた。だが私は結局何もせず、家に送り届けてしまった。

あれはただ自分が臆病だっただけか、あるいは子ども時代の自分に後ろから羽交い締めされて「この思い出は完結させるな」と止められたのだろうか。

私はこの恋愛を成就できなかったことを一生後悔して生き続けるだろう。しかしこうして一生思い煩うことはできる。これはこれで楽しい。「幼年時代を共有した異性には性的関心を抱かない」この一文のおかげで、ちょっとした慰みになった。

子どもの人生は子どものもの

私たちの社会がどうしても認めることのできない「残酷すぎる真実」が隠されている。それは、子どもの人格や能力・才能の形成に子育てはほとんど関係ない、ということだ

基本、親である私が子どもに虐待をしなければ大丈夫。後は周りの友人知人、先生、師、恋人によって勝手に成熟していく。

ある程度の環境は用意してやるといいが、誰それと付き合った方がいいとか悪いとか、子どもの人間関係のことは知ったことではない。子どもは勝手に構築していくだろう。ただし、失敗談はいくらでも話す。それを参考にするかどうかも、すべては子ども次第だ。

親の言うことなんて別に聞かなくてもいいよ(親の立場からすると聞いてほしいとは思っているが)。

互いの違いを認め合った友と語らい、刺されない程度にいくつかの恋もして、なるべく他人に迷惑をかけないように楽しい人生を送ってくれたらいいな、とは思う。けれど、最終的には自分の好きなように生きたらいい。

親の力なんて微々たるもの。
子どもの人生は子どものもの。
子育てに傲慢になるな。

と、常々自分に言い聞かせている。

明るく生こまい
佐藤嘉洋