関大徹著『食えなんだら食うな 今こそ禅を生活に生かせ』
掃除も接客の一部である
著者は禅宗の僧侶。
これまでも仏陀、空海、親鸞の思想を浅く学んできたが、ここにきて道元(禅宗)の思想を間接的に学ぶこととなった。
禅宗からも、超超人思想に繋がる何かを感じた。
ニーチェの永劫回帰に繋がる思想もあり、私は何度も著者の関大徹老師に、警策(あの木の板のこと。『きょうさく or けいさく』と読みます)で肩をペシっと叩かれたような気がする。
一番の学びとなったのは、「社長は便所掃除をせよ」の項目である。
私は掃除が嫌いだった。
人生で2番目に嫌いだった。
私は2011年に、JKF(ジャパンキックボクシングフィットネス)を新瑞橋に創設した。
ちなみに元々は、キックボクシングの師である小森次郎会長のイニシャルでもある。
2016年、多くの割合を一人で運営する時期があり、そのときに一念発起した。
「前よりも汚いジムになった」と言われないよう、掃除だけはしっかりやろうと心に決めたのである。
人の入れ替えによって1ヶ月目だけ売上は落ちたけれど、2ヶ月目には底打ちし、3ヶ月目には過去最高を記録した。
経営は、結果がすべてなのである。
辞める人は辞め、戻る人は戻り、入る人は入る。
その中で輪に入っている人たちの人生をしっかりと、少しでも前向きな、少しでも明るい人生を送ってもらえるように努力することが、(掃除も含めて)プロの接客なのだと思う。
掃除も接客の一部である
と最近気付いた。
迎え入れる側に失礼があってはならない。
自分はまだまだ甘ちゃんで未熟者だと反省
本気の姿勢は、必ず人に伝わり、協力者が現れる。
私の方向性は、絶対的な正解ではないにしろ、概ね正解であった。
掃除会社社長の元ヤンの同級生から協力していただいたり、掃除込みのバイト代を出して受付に掃除していただいたり、掃除だけのバイトを雇用させていただく機会にも恵まれた。
人生で2番目に嫌いだった掃除でも、トイレはいつも綺麗にしている自信がある。
そして社員たちも間違いなく、綺麗に掃除しているはずだし、綺麗にしていなければ私も気づくことだろう。
私は、自分の店のトイレを舐めろと言われたら舐めることができる(好条件で頼む)。
ちなみに、この本の掃除の話はもっと奥深い。
興味があれば私に聞いてください。
ご立派なことを述べてきたが、自分はまだまだ甘ちゃんで未熟者だと反省した次第。
欲に溺れた俗人
この本を読むことで、世の中には本当に自分に厳しく自分を律して人生を全うできるすごい人がいるのだ、ということがわかった。
とても真似できない。
いや、ひょっとしたら実在の関大徹さんにも、いろいろな欠点はあったのかもしれない。
しかしそんなことはもう、どうでもいいことなのである。
この本の中の関大徹の生き様に私は感銘を受け、まだまだ甘ったれた自分に活を入れることができた。
そしてまた、到底関大徹さんのように生きることはできない。
禅の境地からすれば、私はまだまだ欲深い俗人である。
この本を読んで自分の未熟さを省みることができた。
いくらかの謙虚な気持ちを自分の精神(こころ)に内在させながら、超超人思想を突き詰めていきたい。
病いなんて死ねば治る
なんて痛快なんだ!
精一杯生きて、死ぬ。
それが人生だ!
PS
今はそれほど掃除は嫌いではありません。
なんでもやり続けてみるもんですね。
明るく生こまい
佐藤嘉洋