塚本拓也 岡部恭英 金子史弥 高橋義雄著『国際スポーツ組織で働こう!』
武田邦彦先生のTV番組『武田邦彦ギャンブル礼賛「笑って暮らして医者知らず」』にゲスト出演する際に、同じく出演を予定されている筑波大学の高橋義雄准教授(写真右から2番目)を「あなたにとって良い刺激になると思います」ということで武田先生からご紹介いただきました。
ということで上野まで行って来ました。
余談になりますが、10年以上ぶりに上野に行きましたけれど、地下鉄や駅構内がどえりゃあキレイになっていてビックリしました。
会食の中で、高橋先生は素晴らしいことをおっしゃっていました。
「職人というのは人に評価されて初めてビジネスとして成り立つ。
だから、人の喜ぶものを作らなくてはならない。
しかし、人が喜ぶものを作ろうとせず、自分の思うままに動く職人を否定してはならない。
イノベーションは、得てして人が評価しないところから生まれる」
この否定しないという考え方に大変感銘を受けました。
特にネット社会では、是か非か、という両極端な考えが多いです。
ちょっと息苦しい。
それはそれ、これはこれ、という感じでいいじゃないかと。
お土産に著書もいただきました。
私は2002年からずっと同じスポーツマネジメントの事務所に所属していまして、ずっと同じマネージャーと過ごしてきました。
だから国際スポーツ組織のことは薄っぺらな知識ではありますが、ほんの少しは理解できるつもりです。
パッと見華やかな業界に見えるかもしれませんが、地味でストレスのかかる作業も多いと感じます。
いいところばかりに夢を見ていると痛い目を見てしまうのではないでしょうか。
どんなに派手に見えて羨ましそうな職業でも、皆さん影で地味〜な努力や作業をしていることを認識しておかなくてはなりません。
キックボクシングのプロを引退するときに、マネジメント事務所を辞めようと相談したことがあります。
「長年の信頼関係もあるし、一応所属だけでも残しておいたら? 佐藤くんが自分で取ってきた仕事は自分で処理していいから」という提案をしていただき、ありがたく申し出を受けることになりました。
昨今問題になっている裏営業が認められた形になりますね。
ありがたいですねえ。
ということで遅読なので、ようやく一昨日に読了しました。
著書の中で、
スポーツでは楽しさを維持するために「どちらが勝つか分からない均衡状態」が尊ばれ、一方が勝ち過ぎればそれを是正する力が働きます。
とありました。
確かに一強状態では勝負は面白くないですね。
私はキックボクシングルールでほぼ無双状態だったことがあります。
ルールの範囲内で首相撲と膝蹴り、そして肘打ちを駆使して圧勝を重ねていたとき、観客席から
佐藤! 反則だぞ〜!
というヤジが飛んできたのには、当時は衝撃を受けました。
え、俺、何か悪いことやってる?
と。
しかし、ひょっとしたらそれは仕方のないことだったのかもしれません。
また、そのままルールの制限されたK-1MAXに転向したのは、自然の摂理だったのかもしれませんね。
この本の中でインタビューを受けていた世界空手連盟事務総長・理事の奈藏稔久氏の言葉を引用します。
選手として強くなることと、ビジネスをマネジメントすることは全く違う作業なのだ、ということがわかります。
名選手が名監督になれるとは限らない、という格言にも繋がりますね。
私もプロキックボクサーとしては一時代を築くことができました。
2007年からは経営者として産声をあげ、いろいろな苦労や経験をしてなんとか10年以上会社経営を続けられてきています(本当に皆さんのおかげです)。
プロを引退してからは、本格的に経営に専念できるようになりました。
運良く武田先生を始めとして、たくさんの素晴らしい経営者や学者の方々と触れ合わせていただき、いろいろなことを学ばせてもらっております。
選手としての名声に驕ることなく、謙虚な気持ちを持って勉強を重ねます。
私はもともとプレイヤーでしたが、マネジャーとしても立派な人間になれるよう、精進していきます。
PS
後日、高橋先生は武田先生と共にJKF池下にも訪問していただきました。
そこではご自身の生徒も連れてきてくれて、なんと2019年9月から会員としてご入会してくださることに。
これもご縁ですね。
感謝します。
JKFは、すべての会員さまに対して、なるべく平等にキックボクシングを楽しんでいただけるよう尽力しています。
明るく生こまい
佐藤嘉洋