アンデシュ・ハンセン著、久山陽子訳『スマホ脳』

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・スマホをいじる時間を少なくして、本を読んだり映画を観たりしたいのだけれど、なかなかできない。

・仕事のメールやLINEは24時間ひっきりなしに来るし、なるべく早いレスポンスも心がけたい。

・食事中も夜中起きたときも、目の前にスマホがあって通知が来るとついチェックしてしまう。チェックするのが仕事関連だけなら構わないが、SNSもついでにチェックしてしまうから効率が悪い。

・スマホはなるべく必要なときにだけ活用できるようにしたい。しかしなかなか難しい。恐ろしい。

・技術発展と共に、真か偽かもわからない情報が「これでもか」というくらい脳を一日中刺激してくる。
インプットするには無駄な情報が多すぎる。

まさにスマホ脳

無駄なスマホ使用(スマホ依存)は無駄なストレスを抱える可能性がある。わかっていたことではあるけれど、専門家が研究結果をもとに考察しているから説得力がある。

「お前(スマホ)を使うのは私で、私はお前(スマホ)には囚われないぞ」

と時折スマホに宣言してやろう。

スマホはうまく使うものであって、スマホに囚われてはならぬ。

スマホに囚われない散歩のススメ

私は散歩が好きで、海外遠征のときはよく外を散策していた(数百グラム体重が落ちて減量にもいい)。

また、スマホを見ながらではなく、顔を上げて散歩していなければ街の新しい発見はできない

逆に、スマホをうまく使えば、旅先での食事に恵まれる可能性は一気に上がる。散歩中もいい風景があればすぐさま写真が撮れる。思いついたらすぐにメモが取れる。メモだけでなくツイッターなどのSNSも含めて、スマホはアウトプットするには最適かもしれない。

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【2012年スウェーデンにて。散歩中の綺麗な景色】

週2回の運動で、精神衛生は改善する

とても興味深い研究結果も。
私も同国で2度キックボクシングの試合しているが、著者はスウェーデンの精神科医である。
現在この国ではうつ病に悩む人たちが急増していて、その原因の一つとしてスマホ依存を上げている。

その精神衛生を改善させる方法というのが何とも簡単なのだ。

週2回の汗ばむ程度の運動

ただそれだけ。効果も数日保つらしい。

JKF出勤時は、労働がある程度の運動になる。確かに現場仕事のあとの精神衛生は、数日間良好なことも多い。

このジムで「佐藤さん! おかげさまで健康になりましたよ!」と言ってくださる方が少なからずいる。まだまだ勉強途中だが、これからも全員に対して分け隔てのない居心地のいいジムを目指している。

私はこの本をもって、スマホとの関わり方を変えていくことに決めた。スマホを一切遮断するとかそういうことではない。スマホに囚われている時間を少なくしたい。包丁と同じ。要は使い方が大切なのである。

まずは「今、自分はスマホに囚われている」という自覚から。そして「いかんいかん、SNSのチェックは控えめにして本来の目的を最優先しよう」という意識を持つだけで、人生の長い道のりを考えると大きな差になるだろう。

惰性で見るスマホは考える時間を作れない。ラーメンを待っているときくらいは、一人で物思いにふけってみるのもアリなのでは。

明るく生こまい
佐藤嘉洋