菊地麻衣子著『絶対に身につけたい 本物の接客』
接客業に携わる者として、本屋で目に止まったので購入。
大変勉強になったし、いくつも再確認することができた。
人は基本的にはネガティブにできている
私はキックボクシング一筋で社会人としての経験がなく、人や本・経験に教えてもらいながら物事を学んできた。
接客に関してもそう。
無愛想な対応をされると腹が立つ。
自分が店側の人間なら、同じような対応は止めようと学ぶ。
つまり反面教師である。
無愛想な対応をされたから、腹が立って自分の業務でもつい無愛想な対応をしてしまう、というのは自分自身に対する敗北である。
そんなときは心底反省するべし。
人生は自分との戦いなのだ。
自分と戦って戦って、
勝って驕らず精進し、
負けて腐らず反省せよ
マイナス感情を受けたら、それを伝染させずにシャットダウン。自身に対する勝利である。
さらにマイナス感情をプラス感情に転換させて周囲に伝染させたときは、大勝利だ。
自分を褒めてやれ。
素敵な対応をされると心が晴れる。
自分が店側の人間なら、同じような対応を真似しようと心がける。
プラス感情は、周りに広めよう。
「こんないい対応をされましてね」
人は基本的にはネガティブに出来ている。
悪い感情の方が断然伝わりやすい。
だから良い感情を「努めて」伝染させよう。
ジムの会員さまは、暗い気持ちや嫌な気持ちになりたくて大切なお金を払っているのではない。
一人でも多く、楽しい気持ち・スッキリした気持ちで帰ってもらえるように心がけよう。
全員に対してフェアでなければならない
さて、本の中にもあるのだが、お客さまに特別感を出すことの重要性を説いている。
私はこの点に関してはバランスが難しいと考える。
基本的には会員さまに対しては、全員に対してフェアでなければならないと考えている。
JKF(ジャパンキックボクシングフィットネス)の方針では、シャドーボクシング、サンドバッグは無制限だが、対人練習になるミット打ちは2R、スパーリングも2Rまで、と「基本的には」限定している。
これはジムを開業したときから貫いている。
なぜか。
開業したてのときはまだまだ暇だから、会員さま一人ひとりに対してみっちり対応できる。
一人5Rミットを持つことだって可能だ。
しかし、会員数が増えてきて、一人ひとりに対してそこまで時間をかけてしまうとパンクしてしまう。
するとルール変更を余儀なくされる。
「昔は5Rもミットを持ってくれたのに、今は2Rしか持ってくれない」と設立当初からジムを支えてくれた会員さまの不満のタネになりかねない。
インストラクターの好き嫌いによって、会員さま個人個人に対して依怙贔屓(えこひいき)も発生しかねない。
大好きなあの人も、ちょっと気の合わないあの人も、同じ大切な会員さまなのだ。
人間というのは弱い生き物だから、ルールを決めておかないと個人的感情に流されてしまう。
会員さま同士による持ち合いのミット打ちでは、ミット打ち2R、ミット持ち2Rになるので計4R運動できる(ミットを持つのもとても良い運動になる)。
また、経験の浅い方によるミット持ちは、まだうまいこと相手を動かせられないので、インストラクターが追加で1Rミットを持つ場合もある(混雑してどうしようもないときはごめんなさい!)。
スパーリングも相手が2人しかいない場合は2Rまでとなるが、4人いれば全員が総当たりするので3Rやれる。
大好きです
特別感を演出することは大事だが、私はすべての会員さまに対してフェアでありたいと願っている。
ただし、新しい会員さまを体験や入会で紹介してくれた方には、何らかのお礼をしたり、ジムに関してお世話になった場合などにも食事をご馳走するなどして感謝を伝えている。
特別感を出すのはジムの外で、仕事ではなく私自身のプライベートの時間を使って演出すればいい。
ただし、業務に関することにはフェアでありたいのだ。
ジム内のルールを破って、他の会員さまから「あの人への対応が自分とは全然違う」と思われてはならない。
これからも全員に対して、完璧に満足してもらうことはできないだろう。
けれど、全員に対して、完璧に満足してもらうことを目指すことはできる。
特別感というのは真心だ。
その日の雑談のことを少し覚えているだけでもいい。
次回に「そういえばアレどうなったんですか?」だけでもいい。
私は長年のダメージの蓄積かどうか、物忘れがかなり激しい(言い訳)。
だから今いる会員さまとの会話はなるべく覚えるように心がけている。
けれど、物忘れは激しいのでまったく完璧ではない。
まだまだまだ、一般の社会経験のない私には、勉強が足りない。
これからも1日1日休まずに、死ぬまでしっかりとがんばります。
私は今いる会員さまのことを心から大好きですし、今いるスタッフのことも心から大好きです。
PS
睡眠時間はまったく削っていないのでご安心ください。
3食昼寝付きの人生であります!!