松本修 著『全国マン・チン分布考』2018
女性器と男性器の俗称を、全国的にどのような言葉が広まり、そして使われているのかを、ごくごく真剣に考察している、いわゆる論文のような本。
ふざけた本だと思って、舐めた態度でこの本に入ると途中で挫折してしまうかもしれない。
放送禁止用語となっている「女性器のもっとも有名な俗称」と放送禁止用語にはなっていない「男性器のもっとも有名な俗称」を真剣に考えたことがない大人には、読む必要のない本である。
即ち、子供も読む必要はない。
『探偵!ナイトスクープ』への投稿

心を込めて書いたメール
著者は、元『探偵!ナイトスクープ』の元プロデューサーだったらしい。
実は、私佐藤嘉洋、このTV番組に出演直前までいったことがあるのです。
実は、私はアスリートのくせに……うんこ座りができません。
足首が異様に硬いのです。
だからキックボクシングの試合のとき、首相撲自体は強くても、バランスが悪いのでよくこかされました。
今でも元アスリートのキックボクサーのくせに……よくコケます。
それが弱点だとも感じていたので、何とかしたいと思い、この番組に切実なメールを送りました。
数日経って、電話が鳴りました。
「もしもし、佐藤嘉洋さんでしょうか? 私、探偵ナイトスクープの……」
まさかうんこ座りを克服できる!?
と思ったものの、いろいろな理由が重なり、今回はご希望には添えないというもの。
「そこで、佐藤さんに逆にお願いなのですが……」
と提案されたのが、40代の太ったオジさんの「一度でいいからお姫様抱っこを経験したい」という希望に応えられないか、というもの。
ちょうどそのときは次の試合が決まっていて、追い込みの時期でどうしても練習を休めない状況だったので、泣く泣くお断りしました。
名古屋から西の国民の半分は観ていたのではなかろうかという、西の国民に愛された番組に出る機会を逃してしまった。
ああ、もどかしい。
女性器の愛称は何にしよう
言葉というものは、京から発信し、円周状に言葉が広がっているという。
それは女性器や男性器の俗称に関しても同じだったことを著者は突き止めている。
「女性器のもっとも有名な俗称」という言葉も、男女問わずに気軽に使えるような時代もあったようだ。
今では、男性中心のエロ業界で卑猥な使い方をされてしまい、それが世間にも広まって放送禁止用語になってしまい、普通に口にするのも憚れる禁句になってしまった。
そうやって言葉が次から次へと変容していった。
今だと何だろ、と自分の娘のことを考えてみたら「おまた」という名称を使っている。
読み進めていたら、現在はおまたという表現が多いというような証言も載っていた。
しかし著者は、「おまたというのは曖昧すぎるんじゃないか」というような感じで否定的だった。
そこで提案していたのが「おそそ」だった。
清らかで女らしいさま、という意味のある「楚々」から来ている点もあり、私も「おそそ」信奉者になった。
女性器は決して、不浄のものでも、不潔なものでも、不気味なものでも、卑猥なものでもなく、清らかで美しいものなのだ!!
と著者から教わった気がする。
男性器について
私はたまに、ふざけた自己紹介をするときに「珍しい宝と書いて、珍宝(チンポー)です」と、中国人になったフリをする。
まさか過去に、「珍宝」も男性器の俗称として呼ばれていた例もあるとは驚きであった。
上品な下ネタをモットーにしている私としては、これからなかなかに使いづらくなってしまったと言わざるを得ない。
さて、著者は日本言語学において、大きな発見、世紀の発見をしている。
それは「『魔羅』語源説の否定」である。
神聖な男性器に悪魔の意味をつけるとは何事か! と憤っているのである。
私個人的な感想としては、男性器に悪魔の意味をつけてもいいと思っている。
なぜなら、これまでの人類の歴史は、男性器に取りついている悪魔のせいで、大きく大きく動いているからだ。
しかしそれは、自身による制御、すわなち自制心のせいなのでもないだろうか。
いや、そうだな、使いようだよね。どこにエネルギーを向けるかだよ。
と自問自答で自己完結してしまった。
だから著者の憤りは正しい。
私も、「魔羅」はおかしい、と信じた。
そして著者は、「魔羅」はただの当て字で、もともとの語源は「末裸」や「万良」などと、決して悪魔的ではない語源を探し出してきたのである。
本気の姿勢
みながあえて避けたり、どうでもいいと思っていることを、著者は真剣に、人生を投げ売って、本気の姿勢で、男性器と女性器の歴史を探求した。
その本気の姿勢に、私はいたく感動している!
中学生のころ、友達との挨拶代わりしていたのは「女性器のもっとも有名な俗称」であった。
まったく、ほんとうにどうしようもない中学生時代だったけれど、そんな私も二児の父。
しかも、いまだにグラビアアイドルのランキングを発表する「佐藤嘉洋ランキング」の実行委員長を務めていたり、ふざけたことを本気でやり続けている。
私は生まれてから死ぬまで、一部の人間には嘲笑されて人生を過ごすに違いない。
しかしこの継続の狂気によって、それ以上に爆笑に包まれるに違いない。
松本修さんとお話がしたい。
そんな同志の本です。
読書って、素晴らしいですね。
あ、私、国語辞典を毎日読み進めるという「#辞書の旅」をしております。
今は1日2ページ読んでおります。
読書…
〔研究調査や受験勉強の時などと違って〕一時(いっとき)現実の世界を離れ、精神を未知の世界に遊ばせたり 人生観を確固不動のものたらしめたりするために、(時間の束縛を受けること無く)本を読むこと。〔寝ころがって漫画本を見たり電車の中で週刊誌を読んだりすることは、本来の読書には含まれない〕
新明解国語辞典第7版
#辞書の旅
明るく生こまい
佐藤嘉洋
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