竹内信夫、永坂嘉光、高岡一弥著『空海 言葉の輝き』

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写真・全国旅行業協会

2年前に『空海の思想について』を読み始めてから、空海のことが妙に気になっている。

空海は、とにかく自然体で生きていると感じる。
また、楽天家のようにも。
ちなみに楽天家は、オプチミストと呼ぶ。
過去の『#辞書の旅』で学んだ。
2018年9月25日に旅した言葉である。

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即身成仏とは

空海は即身成仏を説いた真言宗(密教)の始祖である。
別名は習字の名人、弘法大師。
どうでもいいが私は『#辞書の旅』人。
せっかくなので辞書を紐解いてみた。

即身成仏…生きているままで仏に成れると考える、真言宗の教義。

新明解国語辞典第7版

‪即身成仏…人間が現世の肉体のまま仏になること。即身菩提。

‪▼真言密教の根本教義とされる。

明鏡国語辞典第2版

私は、生きている人こそが神や仏のような超常的な存在なのだ、と解釈している。
超人思想で有名なニーチェも『ツァラトゥストラ』で同じことを言っている。
私は、空海とニーチェの思想には通ずるものを感じるのだ。
「人こそが神なのだ」と思うなんて罰当たりな、と思われるかもしれない。
しかしこれは、傲慢な思想ではない。

今生きている自分を神と思うことで、自分のことを尊重することができる。
考えてもみてほしい。

私たちが今ここに存在しているのは、宇宙という無限とも思える広大な空間の中にたまたま地球ができて、46億年と推定される長い長い地球の歴史の中で、太陽や月などその他の惑星がたまたま絶妙な距離に位置したおかげで生命を維持、繁栄できる環境になり、人という存在の生命体がたまたま誕生し、食物を安定的に摂れるようになり、恋愛は必ずしも子孫繁栄のためではなく、快楽やより仲良くなるために性行為をするようになり、社会が生まれ、技術は進歩し、インターネットによって人との距離がぐっと近くなっている。

そして今の日本においては、雨風をしのげる住み家があって、生きるために食べるのではなく美味しいものを食べるために食べ、TVやスマホのエンターテインメントで感動し、冬には暖かい服装で過ごすことができる。

すべてが調和しているのだ!

これを極楽と言わずに何といおうか。
極楽に住めるのは神や仏のような超常的な存在だけだ。
そんな素晴らしい環境にしていただいた先人たちの苦労に、私は思わず手を合わせるのである。

なにとぞ~!

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自分に対して謙虚になることと、自分を卑下することは全く違う。
即身成仏は、一見罰当たりで危険に見える思想かもしれない。
私は、

人よ、もっと自分を尊重し、今の環境に深く感謝し、満足しなさい。
一人ひとりが神や仏のような超常的な存在の奇跡そのものなのだから。

ということを空海は伝えたかったのではないだろうか。たぶんね。

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この景色も、外を見なければ気づくことはできなかった。
忙しさにかまけて、ずっと机に向かっていたら見逃してしまっただろう。
集中して仕事するのは当然なのだ。
ダラダラと仕事をし続けるのが働き者とは思わない。
それは楽天的なのではなく、努力の放棄の怠惰である。

やるときには全力で仕事をする。
接客業なら目の前のお客さまに満足してもらい、金額以上に楽しませて帰っていただくんだ、という心づもりでなければ、私の目指すプロではない。
はたして私はプロの仕事が出来ているか、出来ていたか、と人生を振り返る。
出来ていることの方が多いが、出来なかったこともある。

毎日反省、毎日勉強である。

しかしながら、自分を尊重して、明るく楽しく楽天的に生きていきたい。

本は読む人の分だけ、解釈が存在する。
私はこれからも色々な思想を学んでいこうじゃないか。

なにとぞ、よろしくお願いいたします。

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明るく生こまい
佐藤嘉洋